ひみつの天袋

緊急案件でおにわに来た女の子は、小さい台風みたいにやってきて、風のように去っていきました。私は宿直の日の1日(一泊)だけのお付き合いでした。元気にしてるかな。

 

折しも、沖縄のコロナ感染者数がとんでもないことになっている頃で、なんだかざわざわしているときの台風ガールでした。いろんなことが不安で、寂しくて、だったんだと思います。

 

晩ごはんのあと、夜になっても2階に上がりたがらないので、だらだらと一緒にテレビを見て、すごいギタリストがいっぱい出てくる番組だったので、すごいねー、かっこいいねーと言ってたら、「三線だったら弾きたい」と言う。へー、三線弾きたいの? と言ったら「エイサーが好き」と。とーしんどーい、かっこいいよねー、早弾きできたらすごいよねー、って話をして、だったら、おうちの三線持ってきて教えるよー、早弾きは全然できないけど。女の子が、「ほら、あれ、あるさ、みんな弾くやつ」てんとんてんと口ずさんで、ああ、それ、安里家ゆんた。安里家ゆんただったらできるよ。まかせて。

 

私も、へっぽこだけど、触ってみるのは楽しいんじゃない? と言ったら、うんうんって頷いて楽しそうな顔になっていました。触ったことない? って聞いたら、「うん」って。

 

私はいつも下の部屋で寝るけど、2階で1人で(あかちゃんもいるけど!)寝るのはいやだいやだって言うので、私も2階の海の部屋で眠りました。(彼女は山の部屋)なかなか寝心地よかったです!

 

次の日の朝、ゆりちゃんが出してくれたオレンジジュースを飲みながら、エイサーが好きって話をしていて、いままで撮った写真を見せてくれました。ええ! ほんとに自分が撮ったの? ってゆりちゃんと二人でびっくり。とにかくかっこいい、プロみたいな写真。〇〇好きなの? って聞いたら、うんうんって。すっさー!

 

私はおうちに帰って、三線を数年ぶりに引っ張り出して、へたれてた弦を貼り直して、ちんだみ(調弦)をして、工工四の復習もして、次の日、おにわに行きました。退所のタイミングと重なって、結局へっぽこ三線講座は実現しなかったのだけど、次があるかもしれないしなあ、と思って、畳間の天袋に入れてきました。なにも入っていなかったので、今、三線専用になっています(笑)。

 

彼女のかっこいい写真ゆずってもらっとけばよかったなー。代わりに、昔私がとったへっぽこ写真を。エイサーの話をいろいろしたから、記憶のなかでは夏の子になっています。冬に来た夏の子、元気でいてね。

 

(うえだ) 




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