ドファド

 

おにわに滞在する女の子には、週2回、パソコンを勉強する時間が設定されているのですが、産後すぐは画面を見たり、小さな字や画像を見るのがよくないということで、しばらく三線の時間にすることになりました。

女の子は、昔、学校でちょっと習ったと言っていて、それ以来の三線の時間。私は、へっぽこでして(すいません!)、スタートのちんだみ(調弦)で大苦戦。弦も一本切れる(笑)。女の子は眠っている赤ちゃんを抱いたまま、隣に座って、 手を伸ばして、弦を繋ぐのも、ちんだみも、助けてくれました。ピアノだと耳コピができるんだそうですよ。すごい。ウマ(弦を立てる小さいパーツ)が倒れたり、弦が切れたり、ぱちん! って音がなるたび、赤ちゃんは、びくっとして驚くけど、すぐにすうすう眠ります。大物!

途中、おっぱいの時間もはさんで、やっとなんとか、ドファドになった三線を構えました。(三線の本調子の調弦は、ドファドです) 記憶をたどって女の子が弾いたのは、安波節(定番の入門曲)の前奏。そのあと、本を見ながら、安里家ユンタ。 なにこれ? は? 届かんけど! とか言いながら、本を見て、工工四(くんくんしー、琉球音楽の楽譜です)も覚え始めていました。すっさー!

次は、安波節の工工四も持ってくるよね。私のへっぽこはあっという間に追い越されそうです。 女の子が三線を手探りしている間は、私が赤ちゃんを抱いて、テントンテントン、三線の音のそばでやっぱりすやすや眠っていました。でも聞いてるはず!

生まれてはじめて聞く楽器の音が、お母さんの三線の音、って、なんて素敵。(わたしのんはカウントしないでください(笑))

赤ちゃん、指が長いんですよ。ピアニストになったらいいのに! と思ってたけど、三線もいいな! 手を伸ばしたり足を伸ばしたりしてむくむくと生きている目の前の小さい人の将来のことを思い描くのは ものすごく嬉しい。

女の子の、つたない、とまったりしながらの、三線の音が、だんだんにメロディに聞こえはじめるのが、すごくよかった。私の口伝えの声が、三線の音になる。ばらばらの音が、ゆっくり、だんだんとメロディになっていって、みんな聞けばそれがわかる。


(うえだ)





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